伊予三名山「笹ヶ峰」
愛媛・高知県境 【夫婦二人でのトレッキング】
2007/6/9(sat)-10(sun)
笹ヶ峰(1,860m)
【登り】 「登山口」−「山頂」 標高差860m
【下り】 「山頂」−「登山口」 標高差860m
     
9日:6時30分起床
7時30分「自宅」発ー11時55分笹ヶ峰登山口着
12時05分「登山口」発―14時00分「丸山荘」着(ロスタイム昼食休憩含む)
10日:7時35分「丸山荘」発
-(紅葉谷コース)9時00分山頂着
   7時30分 
   7時30分「自宅」発―8時40分「福山港」
   8時00分多度津フェリーにて香川県「多度津港」ー9時45分着
   9時45分多度津港ー高速道路ー笹ヶ峰登山口着11時55分 





2005年4月初め・・・未だ雪が残る季節に・・・山登りを始めて間もなく無謀にも登った笹ヶ峰・・
イヤ・・・事前に問い合わせした丸山荘の管理人さんのお話に寄れば・・残雪はたいしたことはなく
登山道は見えるとのお話であったが・・・・丸山荘から先は予想外の雪に登頂を諦め無念の撤退を余儀なくされた山・・

あの頃より体力はついたかもしれないが・・・前日の突然の夫の提案に・・・複雑な思い・・
何しろ薔薇のシーズンに突入して以来・・朝のウォーキングさえロクにしておらず・・
やや体調不全が残る中・・しかも・・・1月以来・・5ヶ月振りの山歩き・・・

2年前は日帰りだったが・・この度はテント泊・・・
同じ行程を(しかも雪が無い)2日でと云えば一見楽なようだが・・・
合羽と行動食位しか持たない身軽な2年前と・・・シュラフや食糧を担いで登る今回と・・・・
その荷は肩というよりは膝に重くのしかかるに違いない。。。


度々一人置いてきぼりを食うのも気に入らない・・・
かといって・・・これだけの荷を担いで登るだけの体力も脚力もない・・
何が嬉しくてこんな荷を背負い山道を歩かなければいけないのか・・・
身勝手で複雑な思いの心うち・・・

夫婦で出かける嬉しさと・・・それだけ担いで登るという厳しさと・・・
大きな不安とチョッピリの期待と・・・複雑な気持ちで・・・2年振りの笹ヶ峰に向かう。。。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


なんてことだ・・・・此の私が・・事もあろうに・・カメラを忘れるとは・・・
いや・・忘れたのではなく・・・当然夫が持ってきたと勝手に思っていた。。。
雨の日でも使える浸水5mに耐える山用に買った夫(?)のコンデジ・・・
当然持って来ただろ。。。が妻の言い分。。。(^_^;

この度の四国行きは・・・初のフェリーでの渡航・・・
実は高速道をICよりフェリーの着く港に向かう方が断然早い・・
車で10分もかからないだろうか・・・
フェリーに乗って1時間45分・・・着く先は香川県である。。

出発時刻迄後8分・・・
並んで待つ車の中で・・夫に訊いた
「カメラ・・持って来てるよね?」
「知らんよ・・・ワシはカメラなんかなくてもええんじゃけー」と涼しい顔・・
なんと憎たらしい。。。

時間制限のない高速道路なら取りに帰れるが・・次のフェリーは12時迄ない・・・
既にお金を払って並んでいる状態では取りに帰ることも出来ない。。

「登る価値無いじゃん!(▼▼メ)」と心の中で叫ぶ・・・
写真を撮る為に登っているのか?と自問・・・・

風景写真を撮るのが趣味では無いが・・・「思い出は心の中に・・」では余りにも淋しい。。
私にしてみれば・・写真を撮るのも達成感の一つ・・いや・・山登りの最も重要な事柄かもしれない・・

地団太踏んで半泣きで文句を云ったら・・・向こうで使い捨てカメラを買えばいいじゃん・・と夫。。。
そうだ・・いざとなったら携帯もあるし・・・と気を取り直す・・・・

しかし・・・此の天気・・・使い捨てカメラで如何様なものが撮れようか・・・・

あー悔やまれる悔やまれる・・・・出鼻をくじかれた思いで・・・昨日の睡眠不足をフェリーの中で補う・・


幸い・・・渡って直ぐにカメラ屋さんがあり・・・そこで2本の使い捨てカメラを手にする・・・
どんな画像であってもないよりはまし・・・・

アスファルトの道を過ぎ・・2年前に来た時と同じ舗装されていない悪路・・をガタガタと大きく揺れ乍・・
時折車体の底を擦り乍・・・登山口に到着・・・・


▲ 登山口(携帯で撮った唯一の一枚)


2年前とは全く様子の違う美しいグリーンに覆われた登山道・・・
こんなに広く・・登り易い山道だったかね〜?と二人で話す
酷い道だったように思った山道は・・2年の月日が遊歩道に替えてくれる・・・

此の2年間で幾場も登っていないが・・・
山登りを始めて数ヶ月の時と・・・今回とでは・・同じ山道が斯くも別のような道に見える・・・

実際2年前はやっとの思いで丸山荘迄着いたが・・・この度は「プラス4〜5kg」の荷があっても楽だった・・・
此の私が・・ほぼ標準タイムで辿り着けたのだ・・・
僅かづつでも進歩があるものだ・・


▲ 丸山荘到着 ▲ 到着後ほっとして記念撮影
▲ テント ▲ 霧(雲?)の中に薄っすら見える笹ヶ峰


早速テントの組み立て・・・・テントは我々の一張りのみ・・・というよりこの日出逢った登山者は僅かにお二人・・
翌日の天気予報を信じ・・・・今日は此処でゆっくりすることに・・・
このまま日が落ちればいささか淋しく怖い気もするが・・・・夕飯の支度をしている時間も外は明るい・・・


なんと・・ゆっくりと時間が過ぎ行くことか・・・
おままごとのような夕食が済み片づけを終えるとすることがなくなった。。。
PCも無ければTVもない・・・・で・・・ヨガのレッスンを思い出し瞑想などしてみるが・・・これも長く続かない。。(^_^;)

19時過ぎ・・・シュラフに潜り込むと・・早々に眠くなってきた・・・
バラバラという凄い音に目覚めれば・・・21時丁度・・・外はいきなりの豪雨である・・・
「ねー凄い雨よ!大丈夫・・!?漏ったり雨水が入ってきたりするんじゃない?」
「絶対大丈夫」そう一言云って夫はまた寝息を立て始める・・・
宛も頭・・顔の上に土砂降りの雨が叩きつける感覚を覚え・・とても寝付けない
土砂降りの雨音は更に酷くなる・・・
こんな状態でスヤスヤ眠る夫の神経はどうなっているのかと・・
恨めしく思いつつ・・・何度も携帯で時間をチェック・・・

4時にセットした目覚ましが鳴っても・・静かだが未だ雨音は止まらない・・・・
これではまた登れそうもないではないか・・・
ふーっ・・・笹ヶ峰は丸山荘迄しか縁がないのか・・・・

再度シュラフに潜り込み・・少しでも寝不足を解消しようと決め込む・・・





「Shoko!ドンピカよ!」と夫・・・
テントから顔を出せば霧の中からくっきりどっしりとした笹ヶ峰が・・・・
急いで起きて(5:30)朝ごはんの仕度・・・・
そうこうする内・・・あっという間に笹ヶ峰はまた雲(霧?)にすっぽり包まれ何にも見えなくなった・・
この状態で登っても何にも見えないから下山しようか・・と夫・・・・

テントも片付けた頃・・・また突然表れる笹ヶ峰・・西の空は明るくなって来た・・・
山頂に着く頃には晴れてくるのではないかという希望的観測の元・・・
笹ヶ峰頂上を目指すことにする・・・

予定ではテントを置き・・必要な荷物だけ持って頂上を目指すつもりであったが・・結局全ての荷を担いでの山行になる・・・

霧の立ちこめる中・・・眺望はゼロ・・それでも緑豊かな此の時期の山道の美しいこと!
山水画か・・トトロ住む森のような中は・・心洗われる思い・・・




登りに選んだ紅葉谷コースの方が楽と思いきや・・・結構トラバース気味の危険な場所が何箇所か・・・
荷物に引っ張られるなよ・・と夫に何度も云われつつ・・・緊張の足取り・・・

でもモミジのグリーンが美しく・・つつじも沢山咲いていて・・とっても美しいコースだった。。。
秋の紅葉の頃はまた違った美しさであろうと思われる・・

やっと分岐点迄着くと・・此処から山頂迄は・・まるで象の背を歩くような笹原の山道(Top画像)・・・そして・・・登頂・・・




2年前には辿り着けなかった頂上・・・・
此の時間(9:00)になっても・・・視界は悪く眺望ゼロであったが・・・やっぱり嬉しい。。。
程なく反対側から登ってくる男性が・・・。
高知県からいらっしゃったというその方と暫らくお話し・・記念写真を撮って貰って下山・・

下山は2年前・・登り切れなかったコースだ・・





厳しいと思われたこちらのコースは雪が無い状態では蛇行する緩やかな登山道がしっかりあって
危ない個所は全く無く・・むしろ「紅葉谷経由コース」より断然楽であった・・

暫らくこんな風に笹原が続く・・・雪の無い時期に一度も登ったことが無く・・
登山道の全く見えないつかまる樹もまばらになった雪の降り積もったこの斜面をよじ登ろうとするのは
とても無理であったと改めて思う・・・

雪の斜面を50分・・苦労して・・随分登ったような気がしていたが・・未だまばらになったとはイエ・・
樹林帯の中にいたのだから・・実はいくばも登っていなかったのだろう・・・


終始・・ウグイスがさえずる中・・・樹林帯に入れば此の季節ならでの本当に美しい景色の登山道

此処で無念の撤退をした場所だ・・と脳裏に焼きついた横倒しになった樹を眺めつつ・・・
厳しかったあの時と全く違うグリーン一杯の穏やかな山道に感激しつつ・・・本当にその景色を楽しみつつゆっくりと下山・・・

(その美しい景色を何枚も撮ったのだが・・霧の中での採光不足でまともな写真がない。。(T_T)・・)

丸山荘迄の山道と丸山荘に着き・・エネルギー補給をしている間に4組の登山者に出逢う・・・
山で人に逢うのは嬉しいものじゃね・・と夫。。。

後は車の停めてある登山口迄下るのみ・・・
最初は快調であったが・・・だんだん太ももが辛くなって膝に痛みがきそうで・・一気にスピードダウン・・・
結局・・丸山荘からのタイムは登る位時間がかかっての下山となった。。

それでも終始・・7kgの荷を担いで・・登頂できたという達成感・・・
美しい自然の中での山行は私なりに満足感たっぷりであった。。

記念にと・・2年前と同じ場所で撮った写真も・・開けた雰囲気のいい「宿(しゅく)」も・・採光が悪い為か・・ネガとして上ってこない・・(T_T)
出来ることなら・・・あの幻想的な美しい山道をもう一度・・ちゃんとしたカメラで撮ってみたい。。。



【6月9日】
12:05 笹ヶ峰林道登山口→ 13:23 宿→ 14:00 丸山荘到着 テント泊
(途中昼休憩13分挟む)

【6月10日】
7:35 丸山荘出発
→ (紅葉谷経由コースにて) 8:38 銅山越え笹ヶ峰(紅葉谷)分岐点→ 9:00 笹ヶ峰山頂到着

9:13 笹ヶ峰山頂発→ 10:17 丸山荘着→ 10:32 丸山荘発→ 10:59 宿→ 12:06 笹ヶ峰林道登山口着



まともな写真が殆ど無い為・・・だらだらと文章で綴る山行レポートとなりました。。m(__)m
(カメラに撮影時間の記録がなくて残念ですが撮った順番のアップになっています)
最後迄ご覧いただいてありがとうございました。。


2007/6/13
しょうこ拝