第四章 秀麗なピラミッド


夕日はダメでも・・ご来光は・・・と4時過ぎには起きて・・4時半頃から待っていたが・・・
厚い雲に覆われ・・・やっぱり無理のようだ・・・

這うように立ち込める霧に・・・常念は諦めて下山しようか・・と夫・・・
温度が上がれば霧は晴れる・・との熟練者らしいおじ様の自信に満ちた言葉を信じて蝶ヶ岳ヒュッテを出発・・



6時30分蝶ヶ岳ヒュッテを出発
凄い霧と強風・・合羽の帽子も飛ばされ
横風に飛ばされないよう踏ん張り乍歩く・・・

此処で一気に凄い体力の消耗・・・((+_+))
進行方向を示す丸印も印の近く迄行かないと分からない

蝶から常念に向かう人が殆どいない中・・
霧の中暫らく二人だけの不安な歩行が続く
ヒュッテ前にて出発の朝 強風の中、横尾との分岐点にて
濃い霧の中雨が降り出したのでズボンも着ける・・/ 霧も晴れ・・カラマツソウの可憐な花にホッとする/ ハクサンボウフウ
グンナイフウロ ニッコウキスゲ ハクサンフウロ
振り返れば下りてきた「蝶槍」が・・・ トリカブト 花の群生地を登りきると常念岳が見えた(9:24)
更に近くに(9:44) 斜面を登りきると・・・ 目の前に常念岳が・・(10:33)
此処でエネルギー補給 下りつつ振り返って一枚










そして・・・

此処から頂上迄登り斜面

   ↓
そして下る・・ 此処から更に一気に下る
←写真ばっかり撮って中々登ってこない私を待つ夫
この斜面を登り切って・・少し下った平らな場所で昼食
↑は昼食を食べた処で今登ってきた斜面を反対側から撮ったもの

危ないからもう写真は止めなさいと云われつつ・・
此処から隠れてシャッターを押す・・(^^ゞ
だって・・こんな岩の間に・・花を咲かせているのよ・・・
感動でしょう。。。
シャクナゲ(石南花) 巨岩の急登(12:51) これを登り切れば頂上(13:15)
そして13時30分登頂  「常念岳」と彫られたプレートを持って・・記念撮影


【常念小屋】
登頂迄に実に7時間・・・暫らく頂上で眺望を楽しんで・・・
登頂で力尽きた私は山裾の標高2466mの常念小屋迄
の急斜面を標準タイムの倍以上かかってやっと下りる
此処からの急斜面を下りれば常念小屋
赤の丸で囲んでいるのが急斜面に下りる夫


第3章で少し登場した青年(お兄ちゃん)・・
細身で色白で・・・余計なことは一切云わない・・・そんな青年だった・・

どちらから(蝶迄)来れれたのですか?・・と問うて見れば・・・
合戦尾根を登り「燕岳」そして「大天井岳」「常念岳」そして「蝶ヶ岳」と縦走してきたのだとか・・
しかも・・朝6時半から登り始め・・蝶ヶ岳に着いたのがお昼の3時半・・・
実に9時間での縦走。。。
北アルプスはこの度が初めてですと仰ってた・・

北アルプスをご存知の方ならこれがどんなに凄いことなのかよくお分かりだと思うが・・
この時点で・・「大天井岳」の名前すら知らない私は唯々・・9時間歩いたことだけに驚いた・・
(話の飲み込めないピンと外れの超初心者でゴメンネ。。。<お兄ちゃん)

本当は常念で泊まるつもりだったらしいが・・・
大天井で出逢った中年の女性が・・「あら・・マダマダ行けるわよ・・蝶迄行っちゃいなさい」と
云ったそうだ・・・

それだけ縦走してきた彼が・・・気負うことなく涼しい顔をして・・こちらの問いに快く応じてくれて・・
これだけの縦走を大変だったとも云わなかったけど・・・
その時に・・・「僕は下ってきたけど・・あそこ(常念頂上からの下り)は登りたくない・・」と云ったのだ・・

霧と強風で中々前に進めず・・途中からは雨が降り出し・・・
合羽を着たり脱いだり・・そんなことにも時間を取られたが・・・長時間の休憩等取らなかった・・
それでも・・彼が4つの山を縦走してきたその時間で・・・我々は(私のペースだから・・私は・・だけど(^^ゞ・・)
やっと蝶が岳ヒュッテから常念小屋迄辿り着いたのだ・・・

彼なら槍は勿論・・穂高連峰の縦走だって出来るだろう・・

登山の魅力は色々あるだろうけど・・こうした出逢いも魅力よね・・
同じ山に登った(或いは登っている)というだけで・・なにやら凄い連帯感を感じるから不思議・・・

明日はいよいよ下山・・・
3時ごろから降り出した雨・・・
明日は朝から雨に違いない・・・


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